Documentary: Tetsuro Space Art Project

 

 

 

Directed, cinematographed, photographed, edited and web-designed by Pineapple-man

Tetsuro Space Art Project Official Site


Tetsuro Space Art Projectにおいて、プロデュース、ディレクション、ビデオ撮影、写真撮影、編集、グラフィックデザイン、そしてウェブデザインを担当いたしました。

私が鉄郎さんと出会ったのは2016年、友人の映画で使う日本式の祠を作製してくれる方を探していた時で、建築家の方から紹介していただきました。
彼は建築家ではないのですが、とにかく器用で何でも手作りしてしまうような方でした。興味が沸いた私は彼のアトリエ兼倉庫に足繁く通うようになりました。その時、広い倉庫の片隅の方で膜に包まれた巨大な物体があることに気が付き、その中身を見せていただいたのです。

それは横の長さ6mくらいになるでしょうか、とても巨大な宇宙を描いた幻想的な作品でした。

2011年に日本を襲った未曾有の大地震「東日本大地震」、当時、海を渡ったアメリカにいた私たちにはとても衝撃でした。新しく、正確な情報が手に入らないことへのもどかしさは今までなかった経験で、何かできることはないだろうかと、在米日本人の一人一人が行動を起こしました。
地震と津波によっても多くの方の命が失われ、未だに発見されていない方も多くいます。「この絵はその方と家族へに向けた描いた絵」だと鉄郎さんはおっしゃいました。それは地震から4年経った、ロサンゼルスの倉庫の片隅で私に起きた衝撃でした。

私も絵を描くから言えるのかもしれませんが、それは鉄郎さんにしか描けない絵で、少なくともその絵は居場所はそこにないように感じたのです。

私がその絵を日本に届けないのですかと問うと、「有名でなければ、一流の教育を受けてきたわけでもない自分の絵を送っても相手が困る」とおっしゃるのです。それはある意味事実でしょう。ただ大きな絵を送るだけでは想いが一方通行すぎます。ある程度実績が出来た方が絵を渡しやすいですし、あちらももらいやすいです。まずは、鉄郎さん自身が自信を持つこと、そしてこのプロジェクトはスタートしました。

大型トラックに作品を積み、美術展がないような町にも、個展が開催されたことがないような砂漠にもこちらから行って彼の宇宙展を開き、アメリカを横断するのです。その時に、あの絵も一緒にアメリカ各地を旅し、最後に集まった想いと募金、そしてあの絵を日本へ責任を持って鉄郎さん自身が渡しに行くというかつてない試みであります。アーティストとしては驚くくらい謙虚な姿勢と作品自体が持つ魅力は数年前の私のように、一人また一人と動かして行き、やがて不可能と思えることも成し遂げられるのではないかと、信じています。

Tetsuro Space Art Project公式サイト